Israel Japan | Business Guide | 2018

040 > High-Tech > 70 years of Israeli Innovation Israel-Japan > Business Guide > 2018 本記事の執筆担当 IVC リサーチセンターは、イスラエルのハイテク、ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティ業界に関するデータや分析 をオンラインで提供する世界有数の組織です。同センターが提供する情報は、イスラエルのあらゆる意思決定者、戦略・金融 投資家、政府省庁、大学・学術研究所に利用されています。 IVC オンラインデータベース ( www . ivc - online . com )は、 8,000社を超えるテクノロジー関係のスタートアップ企業を網羅 し、民間企業、投資家、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティのファンド、エンジェル投資家グループ、インキュベータ ー、アクセラレーター、投資会社、専門的なサービス提供会社、投資、融資、エグジット、買収、創業者・主要役員、 R & D センタ ーなどに関する情報を提供します。 イスラエルには、推定4,000社のスタートア ップ企業が存在し、その数は人口比で世界 一です。昨年1年間だけで600社が創設さ れました。 今後の課題:スキルの高い技術者の確保 こうした成功の裏で、数多くの課題にも直面していま す。これまで長い間、イスラエルのハイテク業界は欧米 各国との実質賃金格差の恩恵を受けてきました。最近 の調査では、この差が縮まりつつあると指摘されてい ます。2017年のデータによると、シニア・ソフトウェアエ ンジニアの平均年収は9万1,000ドルでした。これは米 国よりも低いものの、欧州のほとんどの国とほぼ同等 もしくは少し高い数字になります。インド、中国のエン ジニアと比較すると倍以上の金額です。 2017年、ハイテク業界の賃金は7%上昇しました。この 賃金急上昇は、人材不足が進んだ結果です。1990年 代中頃のイスラエルのハイテク産業は、人材が豊かで 活気づいていました。当時、旧ソ連から移民が一気に 流れ込んだため、優秀なエンジニアを持続的に獲得で き、賃金が急激に上昇することもありませんでした。し かし、現在では、イスラエルの大学や大学院に人材を 求めざるを得ず、獲得できる人数も限られてきます。 そこに、アマゾンのような外国企業の参入が加わるこ とで、事態は悪化の一途をたどり、賃金上昇に拍車が かかっているのが実情です。 イスラエルのハイテク産業が今後成功し続けるかどうか は、人材不足をいかに解決するかにかかっていると、専 門家は口をそろえます。1年前、イスラエル政府は、ハイ テク産業の優秀な人材を増やす計画を承認しました。 その計画は、現在見込まれている1万人の労働力不足を 補う解決策として考えられたもので、イスラエルの人口 移民庁は今年に入り、イスラエル国内のハイテク産業で 職を求める外国人専門技術者の入国手続きを緩和しま した。長期的視野に立ち、イスラエルのイノベーション 庁は、今後10年でハイテク分野の労働者を50万人まで 増やし、ほぼ倍増させる計画を提示しました。この計画 は、女性やアラブ人、厳格な正教派ユダヤ教徒、さらに は、45歳以上のベテランエンジニアも労働力に組み込 むことを柱にしています。業界にとって死活問題である 人材の問題を解決できれば、イスラエルは今後も、世界 をリードするハイテクセンターとしての地位を保ち続け るに違いありません。 2000~2017年イスラエルのハイテク企業エグジット 出典: IVC リサーチセンター 総額(単位:10億ドル) 件数 2000~2017年イスラエルのハイテク企業金融取引 出典: IVC リサーチセンター 総額(単位:100万ドル) 取引件数 1964年  東京で第18回オリンピック競技大会開催。イスラエル代表選手団には選手10名が参加。 歴史的な瞬間

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